小学生のとき僕はイス取りゲームが大嫌いだった輪になって内側にある人数よりもひとつだけ少ないイスを取り合うのだけれど僕はこういう類いの争い方はとても嫌いで最後のひとつになるイスを誰かと押しあってまで奪い取りたいとはどうしても思えなかったゲームにならないけれどイス増やせばいいのになんて思っていたし人数分のイスがあれば音楽に合わせて立っては座るだけのゲームになって何なのこれってそういう笑いは好きなのになんて思っていた面白くもないのに団体行動が苦手と思われるのが嫌で参加している自分も嫌いだったしわざと譲ると冷めるだろうなと楽しんでますよって顔色をしていた自分にもうんざりだったでもある日イス取りゲームをやっているうちにそういった顔色で参加している人を僕は見つけられるようになり僕だけがこんなに嫌な思いをしているのではないんだな僕だけじゃなかったんだと思えた日があった今日もイス取りゲームが始まる僕の気持ちは少しだけ軽かったし時折り外れる鍵盤の音に先生ピアノは下手なんだなとも笑えた