ミラージュの前に働いていたキャバクラで出会ったお客様のお話。
そのお客様はとても穏やかで、たくさんたくさん褒めて下さる人でした。
どういう人だったか聞かれても答えられない。
何故ならこちらからその人の事を聞く隙を与えてもらえないくらいずっと褒め倒してくるから。
最初出会った時はフリーで入っていて、初めましてだったんだけど、場内を入れて下さいました。
「君はベースがいいね!」
「君は自分の可愛さに気付いてない!」
「僕が今まで指名した子は皆No.1になるから君もNo.1になるよ!」
とベタ褒め。
でもほら私ってば、褒められるのが超絶苦手じゃないですか。(知らんがな)
褒められるのに慣れてなくて、どうリアクションするのが正しいのかわからなくて困るんですよ。
だからこの方にもずっと、
「いやいやそんな事ないですよ。」
「純粋にブスですよ。」
「そんな風に言われた事ないですよ。」
ってずっと否定してたのに、めげずにずっと褒めてくるからずっと困惑してました。
次にその方が来た時にまたフリーで入っていて、私が着くと、
「あれ!君いたんだね!指名でいいよ!」
と場内して下さって、私が辞めるまでこの流れは変わりませんでした。
そして連絡先を聞いても教えてくれないし、番号渡してもかけて来ないし、不思議な方だったなあ。
毎回褒めちぎるのは変わらなかったけど。
「君はベースがいいのに、自分の可愛さにまだ気付いてないその純粋さもまたいいよね!」
と、ベースも何も顔面総崩れ且つ中身も汚れまくってる私を「とってもピュアなとっても可愛い子」に仕立てあげてくるその方の事を、私は友達と「仕立て屋さん」と呼んでいたって話です。
No.1になれなくてごめんな。←